慶應大学小論文にチャレンジ

2019年1月30日

ステップアカデミーに慶應大学を受験する生徒さんがいらっしゃるので、その授業の関係で昨日は「小論文」にチャレンジしました。慶応大学の入試ではいわゆる「国語」という科目は無く、その代わりに「小論文」があります。

課題文はまたしても、國分先生の『中動態の世界』です。これは同じ年の都立高校入試でも出題されました。内容は難しいのですが、人気がありますね。慶応大学の入試と同じ本からの出題ですから、そのときの都立高校受験生は苦労したのではないでしょうか。

設問は課題文の要約と、課題文をふまえて「自由」について考えを書くという2題です。課題文はそのほとんどが、ミシェル・フーコーの「権力論」を説明した部分から成り立っています。フーコーのいう「権力」は上から押さえつけられるというものではなく、嫌々ながらも自分から進んで行動してしまう状態に置かれてしまうというものです。たとえばアマゾンやらアリババやらで「自分の好きなものを自由に買っている」と思っていても、実際はこれまでの購入履歴をAiに解析されて「とくに必要のないものを買わせられている」状態に置かれているのかもしれません。

「設問2」では、こうした「権力」についての議論をふまえて「自由」について作文を書かなければなりません。アマゾンやアリババで買い物するときにも「自由」ではないとすると、どこに「自由」があるのだろうと悩んでしまいます。そうした議論をふまえて作文を書かなければならないので、「人間は自由だ」と単純に言うことはできない設定になっています。慶応大学ではこうした難しい問題が出題されるので受験生はタイヘンですね、がんばってください。